「HO」最新号が発売になり、1週間が過ぎました。 掲載したお店から「HOを持ってお客さんがみえましたよ」といううれしい報告や「友達の店も載っていてビックリしました」という声をいただき、私たちもうれしい気持ちでいっぱいになっています。
今回、私は「老舗、暖簾の向こう側」に登場する、近藤染工場さんにおじゃましました。 近藤弘社長は取材を受けると、「実際に染めてみなくては、この仕事は分からない」と社名や取材者の名前を入れたテーブルセンターを染める作業を体験させるとのことです。 100年以上続く伝統の技。 「基本に忠実に。ずっとこうやって染めてきたんですよ」とこともなげに社長さんは作業工程を見せてくれますが、基本を守り続けるのは大変なことです。 一通り取材と撮影を済ませると、「さぁ、これを染めてください」とのり置き(白く抜く部分が染まらないようのりを置く作業)された4枚分のテーブルセンターを出してきました。 そう4枚分です。 「ぶらんとマガジン社」 「取材を申し込んだ者」 「カメラマン」 そして「私」の名前が入っています! 取材中にも「こういう色がありますから、あとで何色で染めるか考えといてくださいね」と言われましたが、その時は作業の様子をメモしたり頭の中でまとめたりするのが精いっぱい。 とても悩んでしまいました。
付きっきりで教えてくれた職人さん、なんとも心配そうな表情ですね(笑)
さっささっさと染め上げていく職人さんの姿を見てイメージはできていたのに、実際に染料の入ったバケツを持つと手が震えます。 ムラにならないように……と思っているのに、どっぷりと染料が載っている部分とかすれた部分ができてしまいます。 「あぁ!」とつぶやくたびに「大丈夫ですよ」と優しく修正方法を教えてくれる職人さん。 その姿をニコニコと見守る近藤社長。 久しぶりにこうした緊張感を味わいました。 貴重な体験をさせていただき、本当にありがとうございました。
私たちが染めさせていただいたテーブルセンターは、その後、乾燥と水洗い、縫製を経て、昨日、届きました。
私のものと会社用のものです
やはり紺色は映えますね! 落ち着いた雰囲気で、会社の応接室にぴったりです。 私の方は、父の好きな黄色系で染めました。 名字がガツンと入っているので、いつまでも実家で使ってもらいたいなぁと思いまして。 家の中が華やぎますね。
近藤染工場さんでは、名前を入れるなどオリジナルの商品のほか、コースターや風呂敷、テーブルセンターなどを事務所の一角で販売しています。 プリント物と違い、しっかりとした生地で、裏まで同じ色でしっかり染め上がっている品々を、ぜひ手に取ってみてください。 名前を入れて贈り物にしても喜ばれますね。
丁寧な水洗いで、白さもくっきり
「基本に忠実に」と何度もおっしゃっていた近藤社長。 社長は18歳から現場一筋とのことです。 建物の中をあちこち案内していただき、事務所でじっくりとお話をうかがいましたが、 染る作業をする工場での姿が一番活き活きとしていました。 染物の工程を拝見することも勉強になりましたが、なにより社長とお話させてもらったことが一番の宝になりそうです。 「基本に忠実に」私も精進します。
近藤染工場 旭川市1条通3丁目右1号 電話:0166・22・2255 営業時間:8:00〜17:00 定休日:日曜、祝日。土曜不定休 http://www.kondo-some.co.jp
(しずか) |
大変遅くなりましたが、みなさん明けましておめでとうございます。 25日に今年初の、そして記念すべき第40号のHOが発売されましたが、 ご覧いただけたでしょうか? 今回は「こんなお店に行きたかった」と題し 雑貨屋さん、アンティークショップなどの紹介をしています。 いつもは食べ物中心の内容なので、 「今回はひと味違うな…」と思われた方や 今回初めてHOを手に取ってくださった方も多いのではないでしょうか。 ぜひ、率直なご意見をうかがえるとうれしいです。 (→HPのメッセージフォームからどうぞ)
さて、40号P42で紹介したPASTILLE(パスティーユ)さん。 雑貨の看板がレトロ。おとぎの国から飛び出して来たような雰囲気の店です
白い木の壁に囲まれた店内には、カラフルでポップでキュートな 雑貨がいっぱいなのです。 扱っているのは食器から家具、文房具などまで多種類で レトロ調の新品雑貨、アンティーク、アンティーク家具をアレンジしたオリジナルが 全く違和感なく並び合っています。 しかも、そのディスプレーの仕方がかわいらしくて 店内がキッチン、個室(勉強机やドレッサーなどがある)、ガーデニング用倉庫などに わかれていて、まるで一軒家のよう。
ここはキッチン。今すぐにでも料理に取りかかれそうなディスプレー
こんなかわいい勉強机なら向かうのが絶対楽しい! まあ、勉強するかは疑問だけど(笑)
ここはガーデニング倉庫。プランターやシャベル、長靴なんかがそろっています
雑貨が並べられている、と言うより 誰かが生活している家を拝見させてもらっている、という感じです。
取材を進めながらウロウロ店内を歩き回っていると なんと、私が子どものころに家で使っていたコップを発見!
細長くて、小さな男の子と女の子の絵がモノクロでプリントされたものです。 店には2パターンほどしかありませんでしたが、 記憶が正しければ、我が家には6パターンほどの柄があった気がします。
このコップが、私の記憶に残っていたのは、 かつて我が家の「特別なときコップ」だったからです。 おっちょこちょいの私を筆頭に、食器を割ったり壊わしたりが日常茶飯事だった当時。 コップは特に壊れる率が高かったので、 普段は父が飲み終わったワンカップの容器なんかをコップがわりに使っていました。 よいコップは、いつも子どもの手の届かない食器棚の高いところに置いてあり、 誕生日やクリスマスなど、「特別にジュースが飲めるときにだけ」使える 私(と兄弟)にとってはかなりスペシャルなものでした。 食卓にこのコップが並ぶだけでテンションが上がったものです。
後日、原稿の確認で店主の長谷川さんとやりとりした際に 店の印象を聞かれたので、その話をさせていただき 「かわいいとか、懐かしいだけじゃなく、 幼いころに兄弟と遊んだことや、家族で楽しんだことなど いろいろ思い出してしみじみしました」とお答えすると “思い出はずっと心の中に残っているものなので、 そうした記憶や感傷とともに暮らすことは自然でステキなこと” とお返事をいただいて、またさらにしみじみ。
アンティーク食器のほかにレトロなおもちゃやお弁当箱なんかもありました
「チョコホリック」は、レトロな雰囲気の雑貨を作る長谷川さんもお気に入りのメーカー。メモパッドから食器、カバン、ゴム手袋の果てまで作っています
PASTILLEさんに立ち寄ってみたら、 皆さんも昔の思い出に出会えるかもしれませんよ。
(みさと) |
HO 2月号(vol.39)P70で紹介した「大門かしらや」さんの地図が 間違っておりました。 店の住所は、弊誌に記載されている 「函館市東雲町17-4」で間違いありません。
読者の皆様、関係者の皆様に多大なご迷惑をおかけしましたことを 深くお詫び申し上げます。
(編集部) |
12月15日に発売された 「別冊HO 札幌10区 あなたの街の気になるお店」 みなさんもうご覧いただけたでしょうか? 昨年の第1弾とは、全く異なる100軒が掲載されていますので ぜひ一度書店などで手に取っていただけると幸いです。
今回の別HOで掲載した「ちょびりこ。ジャム研究所」さん。 その名の通り(?)ジャム屋さんなのですが、作っているのはなんと野菜のジャムです。 野菜大好きなちょびりこ。さんこと菅原さんが、 直売所で買い過ぎた野菜をジャムにしてみたことからこのお店はスタートし、現在は (詳しくは別HO90ページをご覧ください) ダイコン、タマネギ、ナスビなんかのジャムが売られています。
長屋の一室が研究室です。このさりげなさ、気になる度数がかなり高いですよね
研究者(?)のちょびりこ。さん。「直売所で買いまくったダイコンを腐らせたら怒られちゃう」と思ったのが野菜ジャムを作り始めるきっかけだった
私も野菜は好きですが、それにしても 「タマネギやナスビのジャムって…」 興味はあるものの、不安も感じつつ一口。 まずは直接舌に甘みがきた後、野菜の香りが鼻からふわりと抜けるように感じられます。 目隠しして食べても「これは○○のジャム」とわかるくらい きちんと野菜の香りや味が残っています。 おおぉ。これは予想以上においしいぞ。と味の比較をしながら各種類をつまみ食い(笑)。
こちらは2人前から注文できる「食べ比べセット」1人前550円のジャム。これに塩スコーン、ドリンクが付きます。中央がなす&ラズベリー、一番手前(白いジャム)から時計回りに、だいこん&りんご、たまねぎ&ラズベリー、ちょび塩、クリームチーズ、たまねぎ&いちご、なす&ワインです。ちょび塩は店オリジナルのハーブソルト。最初は「ちょっと口直し」のつもりで添えていたが、人気が出たので商品化したそう
ちなみに私好みは、だいこん&りんごです。 煮込んだものとも、生で食べるものとも違うけど しっかりダイコンの味と香りがして、リンゴの爽やかな風味がよくマッチしています。
さて、この野菜ジャム。 お話をうかがってみると普通にイチゴやリンゴをジャムにするのとは ちょっと勝手が違うようです。 “煮詰めて砂糖を入れる”という基本的な手順は同じだそうですが 「カットの仕方や煮込み方、火にかける時間によって、かなり味が変わって来るんです」 菅原さんが商品開発をするときはサイズや切り方を変えるなど、 さまざまな“実験”を繰り返して 素材の味が生きつつ、ジャムとしておいしいものを作りだしているそうです。 もちろん、どう工夫してもジャムに向かない野菜もあって、 「ハクサイは失敗しちゃいましたね。 なんか鍋の残りみたいな感じになっちゃって…(笑)」
試行錯誤の上に、現在商品化されているのは5種類。それぞれ40g(下)300円、90g(上)500円
取材中に開発していたはなんとセロリのジャム。 使っているのは、洞爺で採れたセロリとマルメロです。 そこのセロリは、生で食べてもクセが少なく甘みも強かったため、 ぜひジャムにしてみたいと思い開発を始めたそうです。
「食べてみてください」と勧められたのは 完成に近づいてきたという2種類のセロリジャム。 まず1種類目。シャリシャリした食感と共に、 しっかりとした甘みが口の中に広がります。 「あれ? あんまりセロリ感がないなぁ」と思ったのもつかの間 最後に、独特の香りがすーっと鼻から抜けていきました。 「これはシナモン入り。ジャムっぽい感じが強いでしょ」 続いて2種類目は、食べた途端、セロリの香りがふわっと口の中に充満し あとからすっきりした甘みが楽しめる。 こちらも、シャリシャリとした繊維を感じる食感がセロリらしい。 セロリの爽やかな苦みと香りが大好きな私。 「これ、かなり好みかも。とくにシナモン入ってない方が 独特の味がダイレクトに感じられて私は好きです」 「セロリって嫌いな人も多いでしょ? どれくらいセロリ感を残すのかが難しいなぁと 思って。でも考えてみたら嫌いな人はセロリのジャムなんか買わないよね」 と、菅原さん。うん、確かに。
取材中「いろいろ食べた中で、一番セロリが好き」と連呼した私に 先日、なんと菅原さんから 「セロリ、ほぼ完成しました」とジャムのサンプルを送ってくださいました。 じゃじゃーん。
丁寧なお礼のお手紙と共にサンプルが送られて来ました。便せんはお店のオリジナルのようで、ロゴなどが入っています
原材料をご覧ください! ホントにセロリが入っているのです!
右はシナモン入り、左はシナモンなし。みんなで試食してみました
編集部の女子で試食してみたところ、 一様に「聞いたときはどんな味かと不安だったけど、違和感なくおいしいね」。 ちなみに、シナモン入りを好む人の方が多かったです。 マルメロの香りと甘みがしっかりと感じられるのも特徴で 「フルーティーでおいしい」「さっぱりした甘みがいい」 などなど意見はいろいろでしたが、好評でした。 また、思い切ってセロリ嫌いの人にも食べてもらうと、 「意外とセロリ感が少なくて食べられる」 という意見でしたよ。
パンに塗ったり、ヨーグルトのお供としてだけでなく 生ハムやチーズ、ステーキなどに添えたり 焼き菓子や、ガトーショコラのようなしっかりしたケーキと合わせて食べるのも おいしいそうです。 中にはお酒のつまみにする方もいらっしゃるとか。食べ方はいろいろなんですね。 ぜひぜひ皆さんもセロリをはじめいろんな野菜ジャムを試してもらえたらと思います。
古い家具などが置かれ、手作りの雑貨で飾られたレトロで温かみのある店内。ワイヤーで作ったモビールや籠、動物ハンコなどちょびりこ。さんの知人たちが作った雑貨は販売もしています
白い壁に影で作られたパリの街。このちょっとした遊びは旦那様のアイデア
(みさと) |
12月15日に発売されました 別HO 札幌10区あなたの街の「気になるお店」で 記載の誤りがございました。
P68 茶寮あきもりさんのページで 餃子ランチを880円と記載しておりますが、800円の間違いです。
餃子ランチ 880円× → 餃子ランチ 800円○
茶寮あきもりの皆さま、また弊誌をご覧になって店へ足を運ばれた方に ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。 |