今回のそば特集、こぼれ話を一つ。HOの80ページに登場いただいている平取の「藤」。 この店名にぴんと来た人も多いでしょうが、札幌の有名店だった藤そば(そば藤とも呼ばれた)の平取店なのであります。
長男が札幌、3男が平取、4男が苫小牧で、その味と心意気を伝播していましたが、残念なことに札幌はご主人が亡くなられて閉店となりました。3年位前だったと思います。札幌では子供の小指くらい太くて、長いの短いのが混ざった不揃いな手打ち田舎そばが味わえました。手打ちのそばを出すところはほとんどなかった時代、初めて食べた時の衝撃は今も忘れません。こんなそばを食べさせた店は後にも先にもここだけでしょう。札幌のうまいそばといえば真っ先に名前のあがる店でした。 また、国鉄総裁が札幌に来た時に出向き、「これはうわさ以上にうまい」と目を細めたという逸話も残っています。 「〜まずかけ、もりを食べてそばだけ味わって。〜うちのかしわは地鶏を使っているからかたいんだ。〜輸入そば粉は一切使用しない」とにこやかに語っていた店主の姿が浮かんできます。思い出しましたが、南3条時代、通りに面したガラス窓から、そば打ちをしている姿を拝見することもできましたね。
子供の頃、母親が何百人もの従業員に徹夜でそばを打って食べさせるのを見て、それを手伝っているうちに、おいしいそば作りのこつを覚えたそうです。だから、そばを打っている時には常にあったかい母親の姿が頭の中にあるはずで、これはまずいわけがなかろうし、仕事に嘘偽りがあるはずもない。平取、苫小牧も同じだと思います。
インターネットがなかったあの頃のそば店のひとつ、山福は閉店しましたが、東家、霧の下、まるき(旧まるき本店)はまだ健在です。札幌のそば文化の歴史を知ると、今回の特集も一段と面白く読んでいただけると思います。
藤そばのことは、意外に知られていないようなので紹介しました。 画像は小社が1974年に発行したガイドブックに載せていただいた広告(上)と、4店舗になった時代のマッチの図柄(下)です。「正真正銘」に心打たれます。
(まりも)
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8月30日土曜日、札幌ドームで、HOに小野優子さんと北川久仁子さんのエッセイを載せさせていただいているHTB開局40周年記念イベント「ありがとう40年 全部たしたら10時間!ユメミル広場に大集合!!」が開かれました。行かれた方も多いのではないでしょうか。 何と無料で公開放送を見学できて、番組のキャスターやNACSの面々に会えるという太っ腹なイベント。これだけでも驚きなのに、はずれなしの抽選会やスタンプラリーまで行い、手ぶらでは返さない、顧客を大切にすることを考えたイベントでした。入場者は1万3217人と聞いております。
もっとも1回100円の縁日ゲームコーナー、グッズ、道産品売り場など、お金のかかるコーナーもありましたが、すべてが極めて良心的な設定になっており、感心しました。開局当時コンバーターという外付けのUHF用チューナーを使って見ていたというHTBがもう40年。本当におめでとうございます。 視聴者として感じるHTBのポリシーは「面白そうならやってみよう」という行動力です。いち早く実は北海道の基幹産業の一つであるサービス業や飲食店の情報を放送したり、福原美穂さん発掘、水曜どうでしょう、ストーンズ公演などに挑戦して、北海道を元気にしたいと奮闘する姿は感動的ですらあります。今回のイベントにしても、豊平区に本社があるとはいえ、普通札幌ドームではやらない、いややれないでしょう。 そのポリシーはHOに通じるものがあり、そのご縁でエッセイを連載させていただいております。HTBの自社情報番組「おは天」「イチオシ」「スキップ」にチャンネルを合わせること、そしてHOを読んでいただくことが北海道を元気にする、なんて考えは作る側の勝手な信念なのかもしれませんが、いつか実現できると思っています。 なお、大泉洋さんはHOの創刊号(2004年9月発売)に2ページもののインタビューでご登場いただいており、素の洋ちゃんをちょっとだけ見ることができます。また、イチオシの森さやかさんはHO 10号(2007年1月発売)で市場の魚を紹介していただいております。気になる方はぜひバックナンバーをチェックして下さい。 小野優子さん、北川久仁子さんが登場する「スキップ」は土曜日昼12:00〜の放送です。 http://www.htb.co.jp/skip/index.html
(まりも)
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札幌は午前中、久しぶりの土砂降りで、午後からは曇り空。一雨ごとに秋が近づいているのを感じます。 札幌市南区澄川にある「ろまん亭」は、札幌で人気のお菓子屋さんです。HOのプレゼントコーナーにご協力いただいたこともあります。ここの社長さんはチョコモンブランの開発者として知られていて、店舗ではチョコモが飛ぶような売れ行き。でも、えらそうなところは一つもなくシャイで気さくな、お菓子一筋のパティシエなのです。 その社長がいま力を入れているのがマフィン。マフィンってあのカップケーキのような食べ物?。はい、ミスドーやパン屋さんでは見かけるあれです。お菓子とパンの中間のような存在で、これまでお菓子屋さんでは売っているところはほとんどなかったようです。 きっかけは昨今のバター不足。マーガリンでおいしいお菓子を作れないかと試行錯誤しているうちに、子供の朝食にいいとできてしまったもので、砂糖味、塩味、野菜やチーズ、チョコのトッピングなど10数種のマフィンを、1個210円でまずは札幌西武のショップで販売しています。まだまだ売れ筋はチョコモやイチゴショートという状態ですが、やがてマフィンも人気商品になると考えているそうです。
「おいしい、おやつでも食事でもOK、ボリュームがあり安い」というのが知られるようになれば、全国的にマフィンブームが来るのではと、密かに思っているのですがいかがでしょう。牛乳や卵も入っていて栄養価も高いうえに、残っても冷凍すれば日持ちするので、保存も簡単です。新し物好きはお試し下さい。 マフィン売り場とカフェを併設(セットメニューもあり)した札幌西武のろまん亭は、地下1階の靴売り場をいったん外に出た通路側にあります。 ショップデータはこちら。 https://www2.seibu.co.jp/wsc-customer-app/page/057/dynamic/restaurant_list/RestaurantAndCoffeeList |