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TOHOHO日記
「売りたくない逸品」
2008.1.23
HOの連載の中に「売りたくない逸品」というコーナーがあります。
骨董屋さんや古本屋さんなどにおじゃまし、
「商品ではあるけれど本音を言えばこれは手放したくない愛着ある品なんだ」
という品を見せていただく、というページです。

先日、その取材で市内のある骨董屋さんにうかがいました。
骨董屋のご主人というのは不思議なほど皆さんダンディーで、
その一方、一見話しかけがたいような独特の雰囲気をお持ちの方が多いのですが、
品物の話となると満面の笑みであれこれ話してくださったり、
取材以外のものでも珍しい品を見せてくださったり、と、
楽しい時間を過ごさせていただけることもたくさんあります。

今回も取材させていただいたのは別のお品だったのですが、
「刀、見てく?」とおっしゃり、出してくださったのが「五稜郭戦争で使われた刀」。
もちろん真剣です。基本的に平和だった江戸時代の刀とは異なり、
実戦、特に当時の新しい戦法に合わせて刀身は短め、
かなり上の階級の人の持ち物と推定されるそうです。
「ツカの部分見てごらん。洋風に仕上がってるでしょう、特注なんだ。
まさに開陽丸なんかに似合う刀だったんだろうね」と、
鋭い光を放つ刃を見つめながら話してくれました。



一通り写真を撮らせていただいた後、「持ってみる? でも絶対に刃に触らないでよ、ものすごい切れ味なんだから」と刀を渡されたカメラマンY氏、「持っていいんですか!」と目を輝かせて刀を手にし、かなり長い間その切っ先に見入っていましたが…。
名刀には魂が宿り、時に、それを手にした者に乗り移ったりするとか。
その日以来、Y氏ときたらやたらと眼光が鋭く以前にもましてびしっと背筋が伸びて
実にかっこいいのです。
もしや「高貴なお方」をお供におつけになったのでしょうか???

(ひろみ)
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とある朝の話
2008.1.8
 1月25日発売予定の「HO」編集作業着々と進んでいます。
ばりばりと仕事をしている同僚のみんなを横目でちらちら見つつ、自分の机に座って取材時の写真やメモを身ながらあーでもないこーでもないと原稿を書きあぐねていると、なんとなく、どこか行き先を決めずに旅に出たくなるような気がしてきます。

 そういえば1カ月ほど前のある朝、会社そばの川がなんだか騒々しかったことがありました。野次馬根性丸出しでのぞきに行くと、なんと「川で泳いでいる人がいる」とのことで、川岸には救急車やら警察やらテレビカメラやら。いくら今年は雪が少ないとはいえ12月の朝、吐く息は白く立っているだけでも足下から冷えが上ってくるような寒さでした。



 あの日泳いじゃった人って、どんな人だったんだろう、今の私と同じ気分だったのかなあ…。
いっそ私も泳いでみたらいいアイデアが浮かぶかな?
いや待て、冷えって万病の元なんだっけ、それより温泉のほうが脳が活性化されるか?
…んなこと考えてるヒマに仕事せいよというジョーシの怒号が飛んでくる前に、仕事に戻ることに致しますです、はい。
(写真はカメラマンY氏提供)

(ひろみ)
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水戸黄門科ないですか?
2007.11.30
 自分がこちらでお世話になる前のHOのバックナンバーを見ていたら、こんな記事を発見しました。

「生協の白石さん」が、その癒しの力で大ベストセラーになったので、ならば「白石にある生協さん」の店長にも癒しの力があふれているに違いない、インタビューしてみよう、してみました、というような…。(HO Vol.7 2006年6月発行)

 これを書いたのは、普段、泣く子も黙るオニ・ジョーシのようです。しかしまあ、思いつくことはあっても、まさか本当に取材実行するとは…。取材依頼を受けた生協さんの本部でもさぞ面食らわれたことでしょう。

 この記事を読んでいて思い出したのが、先日立ち読みした浅田次郎氏の随筆集「つばさよつばさ」(小学館)の中の1篇。それは「新聞広告で東京都多摩市に『たま肛門科』なる医院を発見したので、それならば、水戸市にはきっと『水戸肛門科』があるに違いないと確信し、104で聞いてみた。すると、案内嬢はまったく動ぜずにきちんと調べてくれ、『残念ながら水戸市内にはそのような医院名での届け出はありません。肛門科をお探しでしたら総合病院にございますので、そちらの番号をご案内しますか』と言われた。結構ですと断って電話を切ったがなんとも残念だ」というような内容でありました。

 うん、やはり似ています、この2人。思いつきを思いつきで終わらせてはいけない。やはり大切なのは何か行動に移すこと。そして、やってみてダメならばそこに執着せずにさっさと次に進むことなのですよね?こんなジョーシの下で、居場所を与えていただいている自分は本当に幸せだなあと改めて思わせてくれたHOの1ページなのでした。

(ひろみ)
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